2013年1月26日(土) セシオン杉並 料理室
昨年のロンドンオリンピック、日本選手の活躍が私たちの心を熱くしてくれたことはまだ記憶に新しいと思います。
今年度の料理教室はイギリスの伝統「アフタヌーンティー」。講師は理事でパンフラワーを教えておられる若松雅代さんと早稲田大学非常勤講師の高柳茂代さんにお願いしました。お二人ともテーブルコーディネーターでいらっしゃいます。
イギリスでは17 世紀中頃から中国産の緑茶、ウーロン茶が飲まれていましたが18 世紀後半には中国産の紅茶も飲まれるようになり、1830 年代になると植民地であったインドで紅茶が生産されるようになったため、紅茶がより入手し易くなりました。さらに1837 年ヴィクトリア女王の即位により紅茶の全盛期を迎え、ヴィクトリアン・アフタヌーンティーとして一つのマナーが出来上がったとのことです。アフタヌーンティーの由来、時代背景、セッティング、美味しい紅茶の入れ方などをお持ちいただいた素敵なティーセットや資料などで若松講師よりご説明を頂きました。
お茶は料理室の調理台でしたが、講師が工夫されたティーマットで、またお花も飾りアフタヌーンティー・スタンドには上からフルーツタルト、スコーン、ティーサンド(キューカンバー・スモーク&ディル)が並べられました。紅茶を入れる時には茶葉の量、蒸らす時間などをきっちりと計り、温めたカップに注ぎます。渋味はあるけれども爽快感がありコクのある美味しい紅茶でした。3 種類のお菓子は高柳講師の指導で作りました。スコーンの生地は手を洗うようにして小麦粉とバターを混ぜて、キュウリはなるべく薄く下ごしらえもきちんとして、サンドイッチは乾燥しないようレタスを千切りにして敷き、タルトの飾りつけはごてごてせず・・と繊細で上品なお菓子を作ることが出来ました。
参加者の感想
調理だけでなくアフタヌーンティーの由来などについて資料を拝見しながらお話を伺えた点が特に良かった。
テーブルコーディネートが現代風で素敵だった。
日常生活では味わえないような優雅な気持ちになった。
ホテルなどで戴くような立派なセットを自分で作ることが出来て楽しかった。
スコーンを家でも是非作ってみたい。
翌日の新聞に「最近の高校生、急須使えず」の記事を見ました。ペットボトルの普及により家庭で急須を使ってお茶を飲むことが少なくなっているとか、もてなしやくつろぎにもつながる茶の文化を、子ども達に意識して伝える必要があると結んでありました。伝統や文化は理由があり形式として残り伝えられていくもの、「アフタヌーンティー」を通して改めて伝統や食文化を考えさせられました。
(大野克子)