杉並ユネスコ協会
ユネスコ・ギャラリーツアー
「富岡絹遺産群探訪 ―世界遺産 富岡製糸場と絹産業遺産群を巡る―」
2014年12月1日(月) 富岡製糸場、高山社跡、田島弥平旧宅

   昨年に世界文化遺産に登録になりました「富岡絹遺産群」の4カ所の内、3カ所の訪問。当日は、場所によって雨模様でしたが、参加者、スタッフ合わせて85名、2台のバスで行って参りました。

   行きのバスの中で、講師の富岡製糸場世界遺産伝道師協会より中島弘氏、井上雄二氏にそれぞれ「富岡絹遺産群」の概要をお話し頂き、富岡製糸場でも引き続きガイドもして頂きました。

   富岡製糸場は、フランスの技術を導入した日本初の本格的製糸工場。和洋技術を混交した工場建築の代表であり、長さ100mを超える木骨レンガ造の繭倉庫や繰糸場など、主要な施設が創業当時のまま、ほぼ完全に残されています。

富岡製糸場1  富岡製糸場2

   次に訪問したのは明治16年(1888年)に設立された「高山社跡」です。高山長五郎は、通風と温度管理を調和させた「清温育」という蚕の飼育法を確立しました。

   翌年、この地に設立された養蚕教育機関高山社は、その技術を全国及び海外に広め、清温育は全国標準の養蚕法となりました。

高山社跡1  高山社跡2

   最後に訪問したのは「田島弥平旧宅」。通風を重視した蚕の飼育法「清涼育」を大成した田島弥平が、文久3年(1863年)に建てた住居兼蚕室です。

   間口約25m、奥行約9mの瓦葺き総2階建てで、初めて屋根に換気用の越屋根が付けられました。

   この構造は、弥平が「清涼育」普及のために著した、「養蚕新論」「続養蚕新論」によって各地に広まり、近代養蚕農家の原型になった所です。

田島弥平旧宅1  田島弥平旧宅2

   参加者からは、「日本の近代産業の発展が理解でき、養蚕について、世界遺産の内容等、広く知識を得ることができた」、「明治の文化に触れて知識を得られた。明治産業振興の努力の跡がすばらしかった」などの感想を頂きました。

集合写真1  集合写真2

   今回の企画は井原太一理事が担当し、大変好評でしたので来年以降、同じ様な企画を実施できればと考えています。

●ツアーの行程

7:30 荻窪・杉並公会堂 出発==(バス・車内研修あり)==

9:45 富岡製糸場見学(現地解説員によるガイドツアー 約40分)−(徒歩)−富岡製糸場前の絹まち散策(自由行動)

11:30 昼食場所へ集合/昼食(約40分)==(バス)==

13:15 高山社跡見学(約30分)==(バス)==

15:00 田島弥平旧宅見学と絹農家散策(約60分)==(バス)==

18:00 荻窪・杉並公会堂到着

(山田正)