「西洋美術館探訪」
2014年3月28日(金) 国立西洋美術館本館
上野の西洋美術館と言えば、あの「松方コレクション」が収蔵・展示してあることで有名です。
言うまでもなく「松方コレクション」は、明治の元勲松方正義の三男・松方幸次郎(1865〜1950)が川崎造船所社長であった大正期にヨーロッパで集めた美術コレクションで、石橋(ブリジストン美術館/東京八重洲)、大原(大原美術館/岡山倉敷市)両コレクションと共に、日本に於ける西洋美術の三大コレクションの一つに数えられています。
当時日本に持ち込めずフランスに留め置かれていた「松方コレクション」が、戦後フランス政府より日本へ寄贈返還されたのを機に1959年設立されたのが国立西洋美術館ですが、この本館がフランスの建築家ル・コルビュジエ(Le Corbusier、1887〜1965)によって設計されたことはあまり知られていません。
コルビュジエは20世紀を代表する建築家の一人で、フランク・ロイド・ライト(米)、ミース・ファン・デル・ローエ(独)と共に「近代建築の三大巨匠」として位置づけられています。
その代表的な建築には、ポワッシイのヴィラ・サヴォア、マルセーユのユニテ・ダビタシヨン、ロンシャンの聖堂等がありますが、この西洋美術館も含め、フランス政府は「ル・コルビュジエの建築と都市計画」としてユネスコの世界遺産に推薦しています。
さて、今回のユネスコ・ギャラリーツアーですが、この西洋美術館の本館建物と所蔵作品とを同時にガイド付で鑑賞するという企画でした。区民の関心も高く、約40名の参加に対して、残念ながら100名近い方々が抽選に外れるという結果にもなりました。
当日は天候にも恵まれ、桜も咲き始める中、フランス芸術と日本の繋がりを堪能した一日となりました。
次回ギャラリーツアーは、12月に富岡製糸場を訪ねたいと思います。
(井原太一)