2017年12月26日(火)〜29日(金)
第11回韓国スタディツアーが昨年末にソウルで行われました。
※本ツアーは公益社団法人日本ユネスコ協会連盟の「2017年度青少年ユネスコ活動助成」を受けて実施しました。
ツアーの目的は、青年自身が韓国の歴史・文化を現地で学び、日韓関係について理解を深めることで、将来の日韓友好の土台作りを行うことです。
今回のツアーには青年10名(うち外部5名)・理事2名の計12名が参加しました。
韓国スタディツアーのテーマは「異文化理解」と「平和学習」です。
「異文化理解」を目的として訪問したのは、城南市のユースセンター(韓国人青年との交流)や世界遺産の昌徳宮であり、「平和学習」を目的として訪問したのは、第3トンネルと西大門刑務所歴史館です。
以下、訪問した順番にそれぞれの内容と様子を簡単に紹介します。
27日に参加したDMZバスツアーでは、脱北者の方と北朝鮮との国境付近にある非武装地帯(DMZ)へ行き、かつて北朝鮮軍がソウル侵攻を企てた第3トンネルも見学しました。
朝鮮半島における戦争と平和について肌で感じ、多くのことを考えさせられました。
また、メディアを通してではなく、直接脱北者の方からお話を聞けたのはとても貴重な機会でした。
洗脳教育や北朝鮮にいる家族との関係、脱北する前と後での韓国・アメリカ・日本への印象など、いずれも興味深い話でした。
さらに、韓国人の中にも南北統一を望んでいる人たちもいるという話もあり、多くの驚きがあったツアーでもありました。
脱北者の方のお話
軍服試着体験
28日は韓国ユネスコ協会連盟の紹介により、ソウル郊外の城南市にあるユースセンターを訪問しました。
到着し、すぐに温かい歓迎を受けました。
韓国人高校生8名・大学生1名と一緒に文化体験(韓国の伝統と流行の両方が合わさっているキーホルダー作り、結婚式で使われる花冠作り、アイシングクッキー作り)を行いました。
作業の中で、日本に興味をもった話やお互いの言語を教えあったり、勉強の話など様々な会話をしました。
最後には、お礼としてこちらから歌・ダンスや南京玉すだれのパフォーマンスを披露しました。
夕食を共にしたときには、短い時間ではありましたが、楽しかったこの1日を振り返り、終わりが近づく寂しさを互いに感じたことで、真の友達になったのだと実感しました。
素敵な出会いとおもてなしに感謝いっぱいの交流でした。
花冠作り
ユースセンターでのセレモニー
最終日の29日は、まず1997年に世界文化遺産に登録された昌徳宮(チャンドックン)を訪問しました。
昌徳宮は15世紀初頭に李氏朝鮮の王宮として建てられたものです。
時間の関係上、43000㎡に及ぶ広大な敷地の一部しか見学をすることはできませんでしたが、日本ではなかなか目にすることのない色合いや、伝統的な価値観が反映された瓦の模様の美しさに感動しました。
最後の訪問先は、西大門(ソデムン)刑務所です。
日本が20世紀前半に朝鮮を統治する際に朝鮮・韓国人政治犯を収容しました。
現在では歴史館として獄舎が復元され、当時収容されていた朝鮮・韓国人の生活の様子が展示されています。
加害者としての日本を知ることができる貴重な場所であると言えます。
目を背けたくなるよう事実に身も心も凍えつつも、参加者1人1人が真剣に向き合っていました。
昌徳宮の仁政殿にて
西大門刑務所歴史館の追慕空間
帰国後、青年たちは中学生クラブ(1月13日)と新年会(1月21日)において、現地で学んだことを報告しました。
参加者各々が韓国に対する思いを自分の言葉で話していました。
報告会を通し、最近の南北朝鮮に関する報道もありますが、このタイミングで訪れた韓国での4日間はとても有意義であったと改めて感じました。
将来の日韓友好のための小さな1歩を踏み出せたのではと思います。
※2018年1月13日(土)に開催された報告会についてはこちら。
※「第11回韓国スタディツアー報告書2017」もぜひご覧ください(前半はこちら、後半はこちら)。
(小林穂菜美)