2018年1月13日(土)セシオン杉並 集会室・視聴覚室
年明けの中学生クラブでは、前半に学年別の英会話、後半に青年による韓国スタディツアー報告がおこなわれました。
韓国スタディツアー報告では、昨年末に実施された同ツアーの内容が中学生から大学生を中心とする参加メンバーから紹介されました。
報告は4つのパートから成り、1つ目が世界遺産 昌徳宮、2つ目が西大門刑務所歴史館、3つ目が脱北者とのDMZツアー、そして4つ目が青年文化交流でした。
1つ目の世界遺産 昌徳宮(チャンドックン)では、15世紀初頭に李氏朝鮮の王宮として建てられた昌徳宮が、その歴史的価値と美しい景観から1997年に世界文化遺産に登録されるまでの経緯が説明されました。
また、昌徳宮の入口から正殿に至るエリアを中心に、色とりどりの装飾が施された建物や動物をかたどった石像、縁起を担いだ模様などが紹介されました。
報告者からは、一見日本と似た建物のように見えるが、よく見ると建築様式や色合いに違いのあることがわかり、何よりも自然と建物の調和が素晴らしかったとの感想が述べられました。
2つ目の西大門刑務所歴史館では、まず同刑務所が日本統治時代に建設され、韓国独立後も民主化運動を抑えるために使用されたという歴史的経緯が説明されました。
次に刑務所内の施設として、当時の収容状況をわかりやすく示している展示館や、復元された獄舎・死刑所などが映像を交えて紹介されました。
報告者からは、韓国側の視点で歴史が語られており正直気持ちの良いものではないものの、日本人としてこの歴史的事実をしっかり受け止め、そのうえで韓国人の立場を理解していく必要があるとの指摘がなされました。
3つ目の脱北者とのDMZツアーでは、38度線付近の非武装地帯(DMZ)を脱北者とともに訪れた様子が紹介されました。
まずDMZの地理的説明があり、その場所から見える北朝鮮の様子が述べられました。
次に脱北者の方(女性)の体験談が紹介されました。その方からは北朝鮮の教育が「洗脳教育」であること、反対派を抑圧する「恐怖政治」が行われていること、そして北朝鮮に残してきた家族には中国人ブローカーを通じて仕送りをしているといったお話をうかがったそうです。
報告者からは、衝撃を受ける話もあり貴重な体験であった、また韓国人の中にも南北朝鮮の統一を望む人がいることがわかり、日本で報道されていない部分を知ることができたとの感想が述べられました。
最後の青年文化交流では、ソウル郊外のユースセンターで行われた韓国人青年たちとの交流プログラムの様子が紹介されました。
同プログラムでは文化芸術体験として、韓国の伝統的な服飾品であるノリゲを現代風にアレンジしたキーホルダーや、ウエディングのアクセサリーである花冠、オリジナルのクッキーなどを一緒に作製したそうです。
また、日本人メンバーからお礼として歌(ふるさと)やダンス、南京玉すだれが披露され、そしてJ-POPのダンスを韓国人メンバーと一緒に楽しく踊ったとのことでした。
報告者からは、国籍を意識せずに互いに友達になることができたと感想が述べられ、国家間の外交だけではなく「私たち」による民間外交も重要であることが強調されました。
次回、2月10日(土)の中学生クラブでは日本文化をテーマとして、三遊亭粋歌さんによる落語のワークショップを行います。
(岩野智)