2018年3月25日(日)〜28日(水)
参加者
杉並ユネスコ協会青年部 9名 理事 4名
広島ユネスコ協会青年部 1名
仙台ユネスコ協会青年部 1名
ドイツ人留学生 1名
ツアーの主な行程
〈1日目〉
原爆資料館見学
被爆体験証言
〈2日目〉
平和記念公園碑めぐり(ボランティアガイドの橘 光生さんによる案内)
比治山放射線影響研究所見学
本川小学校見学
市内見学(旧日本銀行、袋町小学校など)
〈3日目〉
江田島・海上自衛隊第1術科学校見学
宮島・厳島神社見学
〈4日目〉
広島駅解散
平和記念公園にて
比治山放射線影響研究所の見学
夜のミーティング(意見交換)
宿舎のエントランスにて
厳島神社にて
広島風お好み焼きを堪能
参加した感想
杉並ユネスコが主催する広島 study tourに今回初めて参加しました。
このツアーの最大の魅力は、一つのテーマについて参加者全員が真剣に考え、異なる立場や年代を超えて意見を述べ合い相手の考えを聞くことによって、自分の考えを更に深めていくことだと思いました。
これは家族や友達と来た広島の印象とは違い、「平和」について強く考える機会となりました。
戦後72年たち、被爆された方も高齢になりそこで何があったか、何が起こったかという事実が捉えにくい状況になってきました。
原爆資料館は改修工事中で東館のみの展示でしたが、デジタル化され一つ一つの事象が点として自分の頭に残るという感じでした。
けれどもその点を線につなげてくださったのが、ピースボランティアの橘さんでした。
平和公園の地を踏んだ時に、「この下には今でも多くの方が眠っていらっしゃいます。そしてこの広大な公園は、もともと人々が暮らしを営む活気ある町だったことを想像してみてください。」と静かな口調でおっしゃいました。
公園の中を進むと被爆した墓石があり、そこは当時の地面をそのままとどめている場所でした。公園は盛り土して建設されたのです。目を閉じればそのころの様子が思い起こされ、胸が痛みました。
また原爆の火球から放射された瞬間的な熱線により、爆心地付近は3000から4000度に熱せられたそうです。
製鉄所で見た鉄が1500度で溶けて真っ赤な液体になっている様子を思い出しました。それ以上高温な熱線。そんなものが地上600mから放射されたのです。
広島は私たちに核問題を直接投げかけてくれる場所です。そして語り部の方のお話が私たちの想像力をより深めてくださいました。
また今回はドイツ人の15歳の少女の話も大変興味深いものとなりました。
同盟国でありそして同じ敗戦国のドイツの戦後の平和教育。大陸にあり隣国と接していることや、東西に分裂していたことから、若い人も当たり前のように「平和」について考えているようでした。
長年小学生の教育に携わっていた者として、日本の平和は一人一人の自覚のもとに築き上げなければならないということを、再度子ども達に伝えたいという思いが膨らんできました。
そして今回のスタディツアーのように、人との繋がりが平和を守る力になることを伝えていきたいです。
私にとって大変実り多いスタディツアーでした。
20年間このツアーを企画、運営してくださった板倉先生、協会関係者の皆様方、橘さん、そしてユネスコの若い青年部の皆様方、本当にありがとうございました。
(河野道子)