「カエル博士あつまれー!」 in 第3回すぎなみサイエンスフェスタ
講師 富田 京一 氏(肉食爬虫類研究所所長)
2018年3月4日(日) セシオン杉並 参加者 80名
昨年に引き続き、「ドクタートミー」こと富田京一さんにお話して頂きました。
今年は、両生類・カエルをテーマに展開し、カエル・両生類好きの皆様が集まりました。内容のさわりとして…
カエルは哺乳類よりも繁栄している!?
カエルは「両生類」とよばれるグループの一員です。
両生類にはほかにもイモリ、サンショウウオなどの仲間が含まれていますが、代表的なものは何といってもカエルでしょう。
IUCN(国際自然保護連合)という機関が2008年にまとめたリストによると、現在、世界では6,347種の両生類が発見されており、中でもカエルは5,602種を数える大所帯です。
ちなみに、哺乳類はゾウもキリンもクジラもサルも何もかも全部足して5,488種です。
種類数でいうなら、カエルは私たち哺乳類以上に大繁栄しているグループなのです。
南極大陸をのぞくほぼすべての陸地に分布しており、なかには北極圏内まで進出したものもいます。
カエルは、昆虫などの獲物をじっとすわったまま待ち伏せ、ネバネバした長い舌で一瞬にして巻き取ります。
食いしん坊のカエルは、人間にとっての「害虫」を含め、自然界のさまざまな虫を食べてくれます。
さらに、そうして肥え太ったカエル自身は、鳥獣やヘビなどおびただしい肉食動物の餌となり、これらの生命を維持させるという重要な役割を果たしています。
カエルの仲間、両生類ってどんな動物?
両生類は約3億8000万年前、最初に陸上への進出を果たした脊椎動物(背骨を持つ動物)ですが、陸上生活への適応は不完全で、子孫を残すためには水辺から遠く離れることができません。
日本語で言う両生類とは英語で「水陸両生のもの」を意味する“Amphibia”という言葉を明治時代に翻訳したものです。
それは水陸両用の乗り物やトライアスロン選手のように輝かしいものではなく、水中と陸上の両方にしばられてうろうろせざるをえない、気の毒なイメージのほうが実像に近いかもしれません。
日本はカエル大国だ!!
現在の日本には少なくとも43種類のカエルの生息が知られています。
これほどの多様性は、南北に長く、しかもいくつもの島々に分かれた列島の形、起伏に富んだ地形、そして降水に恵まれた気候などさまざまな好条件が作用して生み出されたものです。
両生類好きの子供も親も、わいわい言いながら楽しんでいただけました。
(山田正)