講師 村松公子 氏 エラノア・セザー 氏
2018年12月9日(日) セシオン杉並 料理室
スウェーデン、ノーベル賞のおひざ元でありIKEAやH&M、VOLVO、そして「ニルスの不思議な冒険」等は誰でも知っているところです。
スウェーデンは教育、福祉、環境などの取り組みで世界の先端をいっており、ユネスコも取り組んでいるSDGs(持続可能な開発目標)は国際ランキング世界第1位です。
2018年度の料理教室はそのスウェーデンにスポットを当て、フードライフ・コーディネーターの村松公子さん(杉ユ協理事)にスウェーデンの家庭料理を、
在日4年のエラノア・セザー(Elanor Sezer)さんにはスウェーデンの12月についてお話をいただきました。
村松公子さん(中央)
エラノア・セザーさん(中央)
一品目はミートボール。
甘酸っぱいリンゴンベリーソース(コケモモ)をかけて食べるのです。
牛乳で湿らせたパン粉を混ぜることで、スウェーデン風ミートボール特有の柔らかさが生まれます。
慣れない味はなかなか美味しいとは判断できないものですが、お肉に甘酸っぱいソースの味も乙なものです。
このベリーのジャムは、長い間寒くて暗い冬にビタミンを摂るための大切な保存食料だったようです。
二品目は「ヤンソンさんの誘惑」。
何とも不思議なネーミングですが、アンチョビとジャガイモのクリーミーなグラタンです。
19世紀に実在したと言われる菜食主義のエリク・ヤンソンという宗教家が、思わず誘惑に負けてアンチョビ入りのこの料理を食べてしまったとか、
20世紀初頭に活躍した美食家でオペラ歌手のパレ・ヤンソンにちなんで名付けられたとか、そのいわれは諸説あるようですが、
シンプルな素材でオーロラ煌めく極寒のスウェーデンで焼き立て熱々を食べれば、身も心もあたたまりそうです。
三品目はキノコスープ。
スウェーデンでは適度に暖かく湿気のある夏が過ぎると国内のあちこちに食用キノコが生えてくるそうです。
中でもカール・ヨハン茸(ポルチーニ茸)はスウェーデンの輸出品にもなっています。
今回はポルチーニ茸の代わりにマッシュルームを使いましたが、手軽に作れて美味しい一品でした。
料理の後はストックフォルム出身のエラさんからクリスマスの様子や食べ物についてお話しいただきました。
12月13日のルシア祭(光の聖女ルシアを讃え歌いながら行進し、少しずつ長くなる昼の到来・再生を祝うお祭)や
1月13日の聖クヌートの日に片づけられるモミの木の話等々。
参加者からは「料理だけでなくスウェーデンの文化も知ることもできて良かった」「行ってみたくなった」という声が寄せられました。
(大野克子)