2021年11月13日(土) 旧杉並第四小学校
新型コロナウイルス感染の影響で、2021年度も4月の開校が遅れ、11月13日(土)旧杉並第四小学校でやっとスタートができました。
板倉徳枝副会長から開校の挨拶、そして新しくユネスコファミリーになったネパール人のビベックさんが紹介されました。
開級式のユネスコ紹介
ユネスコ活動の説明
ビベックさん
国際理解の講師は西野裕代副会長。エジプトの研修旅行に参加し、見て、聞いて、知ったことを「仰天 エジプト・アラブ共和国」と題して紹介しました。
日本から遠いアフリカ大陸にあるエジプトは、全土の95%以上が砂漠。
一億人を超えている住民の99%は首都カイロに集中し、交通渋滞、ごみ、水不足(水道管の老躯化)等の問題が深刻になり、首都移転が決定しているそうです。
宗教はイスラム教。アッラーの教え「コーラン」に従う生活で、豚肉やアルコールは禁止、欲をいさめるためにラマダンという断食をします。そして1日5回の礼拝、女性はヒジャブというスカーフで肌を隠しています。
訪問したお宅で熱い歓迎を受けるなどエジプト人はフレンドリーで温厚な印象だったようです。
エジプト文明は3000年に亘り繁栄しました。王墓(又は王妃墓)として造られた100基近いピラミッドから当時の優れた建築、天文、医学の知識、そして豊かな食文化や高い美意識、驚異的な統率力がうかがえるそうです。
ラメセス2世によって建設されたアブシンベル神殿は、3000年近く砂に埋まっていた巨大な岩窟神殿。
電力不足に陥っていたエジプトは、1970年にナイル川の上流にアスワンハイダム建築を計画。
このダムによりアブシンベル神殿が水没する危機に見舞われたのですが、ユネスコを中心に世界中から寄付が寄せられ60m上へ移転されました。
文化財保護の重要性が世界中の人々に強く印象付けられ、世界遺産制定の大きなきっかけになったのです。
また有名なツタンカーメンのマスクやミイラの話では、古代エジプト人の技術力、医学知識がどんなに優れていたかを聞いてびっくりです。
ミイラは鼻の穴から脳を掻き出し、その後内臓を取り出し、乾燥(塩漬け)させて防腐、殺菌(樹脂+油)、その後布で何重にも巻きます。このミイラの上に金でコーティングしたマスクをつけるのです。
カイロ近郊に建設中の「大エジプト博物館(GEM)」は、ツタンカーメン王墓の出土品を中心とし、単一の文明を扱う博物館としては世界最大の博物館になるといわれています。
そして世界最古の紙パピルスについても、お庭に植えているパピルスの草を持ってきて実際に見せていただきました。
この草の茎を剥ぎスライスして交互に重ねて一枚の紙を作る。パピルスが少し厚く繊維が交互になって見えるのも納得です。
会場に飾られたたくさんのイスラムの衣装や本、装飾品などは、2022年のエジプトイヤーを後押ししたかのようでした。
(大野克子)